E3、ついに幕を閉じる。歴史あるゲーム見本市の終焉とその背景

ゲームファンにとって毎年6月は待ち遠しい時期だった。なぜなら、世界最大のゲーム見本市「E3」が開催されるからだ。E3は「Electronic Entertainment Expo」の略称で、1995年から始まった歴史あるイベントである。E3では、新作や新型ゲーム機の情報が次々と発表され、ゲーム各社が競い合う様子が見られた。E3直前に開催される大手パブリッシャーによるカンファレンスは、ゲーマーにとっては風物詩になっていた。

しかし、このE3がついに終了することになった。ESA(Entertainment Software Association)は、公式SNS上でE3の終了を発表した。ESAは、E3の開催に関わってきた業界団体である。


ESAは、E3の終了理由について、新型コロナウイルスの感染症の影響や、ビデオゲームを伝える形の変化を挙げた。

E3は、2020年と2022年、2023年は新型コロナウイルスの感染症によって開催が中止された。2021年はオンラインのみでの開催となったが、盛り上がりに欠けるイベント内容となった。また、その数年前より、各社がE3期間にあわせて独自のイベントやオンラインブリーフィングを実施する例もかなり目立った。

ビデオゲームを伝える形は時代とともに大きく変化した。いまやSNSやYouTubeなどで各社が独自の情報発信の手段を持つことは当たり前となった。E3は、ゲーム業界に多大な貢献をしたが、役目を終え、終焉を迎えることになったのかもしれない。E3に関わったすべての人々に感謝と敬意を表するとともに、E3の歴史に幕を閉じることを報告する。