『Overwatch 2』6v6の復活!?問題点と今後の課題は?

Blizzard Entertainmentが提供する「Overwatch 2」において、「Overwatch 1」からの最大の変更点の一つであった6v6から5v5へのチームサイズ変更が、6v6に戻る可能性がある事をゲームディレクターのブログで示唆されました。

7月25日、「Overwatch 2」公式サイトにて開発者ブログ「ディレクターの視点」の新たな記事を公開し、ユーザー間で物議を醸している「5v5対6v6」の議論についてゲームディレクターのアーロン・ケラー氏から6v6の復活を検討中であることを明らかにしました。ケラー氏によれば、6v6の再導入は十分なテストと実験が行われた後になるとのことです。

6v6から5v5に移行した理由

ゲーム内ストレスの緩和

「オーバーウォッチ」はチーム競技ともいえるゲームで、プレイヤー同士の協力が不可欠です。
6v6のマッチには特にこの傾向が見られ、両チームどちらかのアルティメットが貯まるまで膠着し続けるというケースがかなりあり、その膠着状態でのアルティメットの成功と失敗がストレスの増減を大きくしていました。このようなストレスを軽減し、人数を減らすことで試合をよりスムーズに進行させることが目標でした。

FPS要素の強化

プレイヤーの動きを制限するアビリティが立て続けに起これば、プレイヤーの活動が一定以上時間制限されることになり、生存率の高いタンクでもライフが無くなってしまう場合があった為、ダメージの緩和とチーム内の行動制限アビリティを少なくし、敵を撃ちよりやすくなりました。

プレイヤーの役割と自由度

6v6で組まれる2タンク制では、ダメージヒーローがタンクに阻まれキルしにくい事とサポートヒーローも回復する必要のあるライフ総量が多く、ほぼ常時回復に徹する必要ががある不満がありました。
また、2タンクではゲームのスピードを遅くすると同時に展開を変える余地を狭め、時には完全に膠着させる要因にもなりました。

試合の状況把握の容易さ

6v6よりも5v5の方が、プレイヤー数が少ないため、ビジュアルエフェクトが少なく、試合の展開を追いやすくなりました。

キュー時間の短縮

5対5への移行により、待ち時間が大幅に短縮されました。特にタンクプレイヤーの数が少ないため、タンクの需要と供給のバランスが改善され、全体的なマッチ待ち時間が減少しました。
この改善が6vs6から5vs5に移行した特に大きなメリットで、以下のグラフは、2019年にロールキューを導入した際の待ち時間と、『Overwatch 2』における5対5の待ち時間を示しています。ダメージロールの待ち時間が特に短縮されていることがわかります。

今後の課題

6v6フォーマットの復活に向けた主な課題の一つは、Overwatch 2の技術的パフォーマンスです。この3年間、ゲームは5vs5を対象としており、特にNintendo Switch、PlayStation 4、Xbox Oneなどの古いプラットフォームでのパフォーマンス維持が重要となります。ゲームディレクターのアーロン・ケラー氏は「6v6設定では、グラフィックや一部のキャラのアップグレードがプレイヤーに重大な影響を与え、古いシステムでゲームがうまく動作しない可能性がある。」としています。

また、6v6に戻ることでキュー時間が増加する可能性もあります。ケラー氏は、Overwatch 2が無料プレイ化してから「数千万の新しいプレイヤー」が5v5しか経験していないことを指摘し、現行のフォーマットを好むプレイヤーを失望させないようにする必要があると述べています。こうした上で、Blizzard Entertainmentは6v6の影響をテストし、その結果をもとに将来的な方向性を決定する予定です。

最後に、ケラー氏は、「この議論は始まりに過ぎない」とし、今後も5v5や6v6についての議論を続けることを約束しました。
5v5から6v6への移行がもし実現した場合は、Overwatchにとってとても大きなターニングポイントとなるでしょう。筆者も一人のOverwatchユーザーとして6v6に戻るモードが是非実現して欲しいと期待しております。

https://overwatch.blizzard.com/ja-jp/(公式HP)