株式会社マクロミル(本社:東京都港区、代表執行役社長 グローバルCEO:スコット・アーンスト 以下、当社)と当社子会社の株式会社センタン(本社:東京都港区 代表取締役社長:田中尊信 以下、センタン社)が共同で提供するニューロリサーチサービスが、株式会社カプコン(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:辻本春弘 以下、カプコン)より2020年4月3日(金)に発売された『バイオハザード RE:3』※1のゲームコンセプト開発に採用されました。
ゲームコンテンツ市場の規模は年々拡大傾向にある中で、カプコンの「バイオハザード」に代表されるゾンビやホラーなどをテーマとしたゲームも多数発売されています。その中で選ばれるゲームを実現するためには、ゲームそのものの面白さに加え、バイオハザードシリーズが持つ“サバイバル”や“ホラー”というブランドのコア価値や、ゲームコンセプトを明確に打ち出した作品にすることが必須です。
従来、カプコンでは、開発時に実施するコンセプト受容調査にインタビューを用いていましたが、これに加えデータドリブンなアプローチを用いて、より正確なユーザーインサイトをコンセプト開発に活用したいという要望がありました。これを受け当社は、テストプレイ中の被験者から取得した生体データを分析し、プレイ中の心理状態を明らかにするニューロリサーチを、新ゲームのコンセプト受容調査として提供いたしました。
本調査では、同ゲームのコアコンセプト(サバイバルとホラー)がプレイヤーにどのように受容されたかを把握するため、興奮や警戒など生体の覚醒度を読み取れる、心拍数と皮膚電気反応を測定しました。プレイ中における心拍数の変化からは興奮/ストレス/リラックスなど、皮膚電気反応の変化からは緊張/驚き/ストレスなどをそれぞれ読み取ることが可能です。
これら2つの測定値からプレイ中の心理状態を分析した結果※2、プレイヤーがゲーム中にどのチャプターで、恐怖や警戒心など本ゲームならではの感情の高まりを体験したのかが明らかになった一方で、多数のゾンビに追いかけられるという演出が、意図していたチャプターにおいて十分な恐怖感を生み出せていなかったことも分かりました。また、「恐怖心を強く感じた後にプレイヤーの警戒心は高まる」ことも結果から読み取ることができました。これらのインサイトを通じカプコンは、非常に重要な原点である、「ホラーとは何なのか」というコンセプトの再考を実施し、『バイオハザード RE:3』開発における表現や演出に反映しました。
【本事例詳細について】
当事例の背景、および、調査過程や調査結果の詳細は、以下よりご覧いただけます。
https://www.macromill.com/case-stories/capcom.html
【ニューロリサーチについて】
ニューロリサーチ(ニューロマーケティング)は、アンケートやインタビューによる主観評価に加え、消費者が商品を見ている時の脳波・心拍・視線の動きなどの生体反応をリアルタイムに計測する実験を行い、その変化からターゲットが自分では意識していない領域まで含む深いインサイトを浮き彫りにすることができる調査手法です。
サービス詳細:https://www.macromill.com/service/neuro_research/
【バイオハザード RE:3について】
『バイオハザード RE:3』は、武器やアイテムを駆使し惨劇からの脱出を試みるサバイバルホラーゲームで、グローバルで高い人気を有する1999年発売の『バイオハザード3 ラストエスケープ』を原作に、自社開発エンジン「RE ENGINE」を使用して最新の技術とアイデアでリメイクした作品です。『バイオハザード レジスタンス』をオンライン作品としてカップリングし、2つの異なるサバイバルホラーをよりお楽しみいただける作品として、2020年4月3日(金)に発売いたしました。本作をはじめとする 「バイオハザード」シリーズは、1996年の第1作発売以降、シリーズ累計販売本数9,500万本(2019年12月31日時点)を超えるカプコンの代表的なコンテンツとして、世界中から熱狂的な支持を得ています。
本サービスは、当社が注力するAIやニューロを活用した新事業領域です。当社は今後も、当社とセンタン社が培ってきたノウハウと実績を組み合わせ、生理情報を活用したマーケティングリサーチサービスの開発および、これまで得られなかった、より深い消費者インサイトや意思決定プロセスに迫るマーケティングリサーチの提供・開発にむけた取り組みをさらに強化してまいります。
以上
※1 2020年4月3日(金)の発売より5日間で全世界200万本を出荷
参考プレスリリースURL: http://www.capcom.co.jp/ir/news/html/200413.html
※2 文京学院大学の長野准教授(生理心理学)の助言をうけつつ,生理心理学的反応モデルをベースに、プレイ中の各種反応の解釈を実施。
長野祐一郎、所属:文京学院大学人間学部、参考文献:長野 祐一郎 (2017). 11章1節 対人要因と心臓血管反応 堀 忠雄・尾崎 久(監) 片山順一・鈴木直人(編) 生理心理学と精神生理学第Ⅱ巻応用 (pp. 109-118) 北大路書房
■株式会社マクロミルについて
マクロミルは、高品質・スピーディな市場調査を提供する、国内インターネット・マーケティング・リサーチのリーディング・カンパニーです。市場シェアNo.1※の豊富なリサーチ実績とノウハウをもとに、お客様のマーケティング課題解決に向けて最適なソリューションを提供しています。世界20カ国、50の拠点を展開しており、世界に誇れる実行力と、時代を変革するテクノロジーを統合し、唯一無二のグローバル・デジタル・リサーチ・カンパニーを目指します。
(※ オンライン・マーケティング・リサーチ市場シェア=マクロミル単体及び電通マクロミルインサイトのオンライン・マーケティングリサーチに係る売上高(2018年12月末時点の12ヶ月換算(LTM)数値÷日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)によって推計された日本のMR業界市場規模・アドホック調査のうちインターネット調査分(2018年度分))(出典:日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)2019年7月1日付第44回経営業務実態調査)
<会社概要>
資本金:971百万円(2019年6月末時点)
代表者:代表執行役社長 グローバルCEO スコット・アーンスト
本 社:東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー 11F
事業内容:マーケティングリサーチ事業
売上高:44,279百万円(2019年6月期)
U R L:https://www.macromill.com
■株式会社センタンについて
センタン社は、マクロミルグループの一員として、脳科学・心理学の知見に基づいたマーケティング・コンサルタントサービスを提供しています。最先端の科学的知見をもって産業分野へ貢献するという、日本では未知の分野への挑戦を始めた創業時より現在まで、100を超えるプロジェクトに携わってきました。商品開発やマーケティングなど、クライアント企業の課題に新しい手法で取り組みます。
■株式会社カプコンについて
1983年の創業以来、ゲームエンタ-テインメント分野において数多くのヒット商品を創出するリーディングカンパニー。代表作として、「バイオハザード」、「モンスターハンター」、「ストリートファイター」、「ロックマン」、「デビル メイ クライ」などのシリーズタイトルを保有しています。本社は大阪にあり、米国、イギリス、ドイツ、フランス、香港および台湾に海外子会社があります。