チェック・ポイントのリサーチ・チームとCyberInt、 Electronic Artsのゲーム・クライアント「Origin」に深刻な脆弱性を発見

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世界中の3億人以上のEAゲーム・ユーザが、アカウント乗っ取りや 個人情報窃取の被害に遭うおそれがあった重大な脆弱性

米カルフォルニア州サンカルロス/テルアビブ- 2019年6月26日–ゲートウェイからエンドポイントまで、包括的セキュリティを提供するチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(Check Point(R) Software Technologies Ltd. NASDAQ: CHKP)の脅威情報部門であるCheck Point Researchと、脅威を検出および緩和するマネージド・サービスをデジタル企業向けに提供する大手サイバー・セキュリティ・プロバイダのCyberIntは本日、Electronic Arts(EA)が開発したゲーム・クライアント「Origin」に一連の脆弱性を発見したと発表しました。すでに修正済みのこれらの脆弱性が放置されていた場合、プレイヤー・アカウントの乗っ取りや個人情報の窃取などの被害が生じる可能性がありました。

世界第2位のゲーム会社であるEAは、「FIFA」、「Madden NFL」、「NBA Live」、「UFC」、「The Sims」、「Battlefield」、「Command and Conquer」、「Medal of Honor」など、著名な家庭用ゲーム作品を数多く保有しています。これらのゲームでは、PCとモバイル・デバイスを横断してEAのゲームを購入、プレイできるクライアント向けゲーム・プラットフォームのOriginを利用します。Originは、ゲーム機能だけでなく、プロフィール管理やチャットによる交流機能、直接ゲーム参加などのソーシャル機能を備えるほか、Facebook、Xbox Live、PlayStation Network、Nintendo Networkなどのコミュニティ・サイトとも統合されています。

CyberIntとチェック・ポイントの研究者は、攻撃グループに悪用される前にEAが脆弱性を修正し、アップデートを配信できるよう、協調的な脆弱性情報開示プロセスに従い、責任を持ってEAに問題を報告しました。そのうえで、ゲーム・ユーザを確実に保護すべく、アップデートの開発に際してもEAに協力しています。すでに脆弱性は修正されていますが、問題が放置されていた場合、プレイヤーのセッションをハイジャックされ、アカウントの侵害や乗っ取りなどの被害が生じていた可能性があります。

EAでゲームおよびプラットフォーム・セキュリティ担当シニア・ディレクターを務めるエイドリアン・ストーン(Adrian Stone)氏は、「当社にとって、ユーザの保護は非常に重要な問題です。CyberIntとチェック・ポイントからの連絡を受け、私たちは、社内の製品セキュリティ対応プロセスに従い、報告された問題を修正しました。協調的な脆弱性情報開示方針の下、各社が協力することは、当社とサイバー・セキュリティ・コミュニティとの関係を強化するものであり、ユーザを保護するうえで重要な役割を担っています」と述べています。

今回見つかった脆弱性を悪用するために、ユーザのログイン情報を入手する必要は一切ありません。脆弱性の悪用では、破棄されたサブドメインと、EA Gamesのユーザ・ログイン・プロセスに組み込まれたOAuthによるシングル・サインオン(SSO)および信頼メカニズムに関係する認証トークンを使用します。

チェック・ポイントの製品脆弱性調査担当責任者を務めるオーデッド・ヴァヌヌ(Oded Vanunu)は、「EAのOriginは、非常にポピュラーなゲーム・プラットフォームです。もし今回の脆弱性が修正されないまま放置されていた場合、膨大なユーザ・アカウントが乗っ取られ、悪用された可能性があります。チェック・ポイントは先ごろ、Epic Gamesがゲーム作品『フォートナイト』向けに運用しているプラットフォームにも脆弱性を発見していますが、この2つの問題は、オンライン・アプリケーションやクラウド・アプリケーションがサイバー攻撃やセキュリティ侵害に対していかに脆弱であるかを物語っています。このところ、ゲーム・プラットフォームが攻撃者に狙われるケースが増えているのは、これらのプラットフォームが重要性の高い個人情報を大量に保有していることが理由です」と述べています。

CyberInt Technologiesの共同創業者で戦略担当シニア・バイスプレジデントを務めるイテイ・ヤノフスキー(Itay Yanovski)氏は、「CyberIntでは、攻撃者の意図を理解しながら、継続的、自動的、かつ早期に脅威を検出することによって、企業各社が顧客や事業をプロアクティブに保護できるよう支援しています。ゲーム内アイテムは、公式のマーケットプレイスだけでなく、ダークネットの非公式マーケットでも取引されるほどの人気があります。つまり攻撃者にとって、ゲーム会社は非常に見返りが大きい標的なのです。サイバー・セキュリティ業界は、人々を保護する責任を負っていると私たちは考えています。そのため当社では、先日のTA505など、新たに見つかった攻撃キャンペーンに関する脅威調査レポートを通じてセキュリティ関係者に警鐘を鳴らし、組織や個人が効果的な検出手法や対策手法を導入できるようにしています」と述べています。

チェック・ポイントとCyberIntは、ゲーム・ユーザに対し、2ファクタ認証を使用するとともに、ゲームのダウンロードや購入は公式Webサイト以外からは行わないことを強く推奨します。保護者の方は、お子様に対し、インターネットにはオンライン詐欺の危険があること、サイバー犯罪者は個人情報や金融情報(これらはゲームのアカウント情報に関連付けられている場合があります)を窃取するためにあらゆる手段を講じてくることを教えるようにしてください。また、見知らぬ相手から送られてきたリンクをむやみに開かないようにすることも大切です。

本脆弱性の詳細な技術分析については、Check Point Researchのブログ(https://research.checkpoint.com/ea-games-vulnerability)をご覧ください。
同脆弱性の特徴について詳しく解説した公式の動画(https://youtu.be/M1aSni70Sq0)もご覧ください。

本リリースは、米国時間6月26日に配信されたものの抄訳です。
 
 
■Check Point Researchについて
Check Point Researchは、チェック・ポイントの顧客やインテリジェンス・コミュニティ全般に向けて、業界有数のサイバー脅威情報を提供しています。世界中で発生しているサイバー攻撃に関する情報をThreatCloudに蓄積して分析し、ハッカーを追跡しながら、チェック・ポイントの各製品に搭載される最新の保護機能の開発に携わっています。Check Point Researchは、セキュリティ・ベンダー各社や捜査当局、各種CERTと協調する100人以上のアナリストと研究者で構成されています。
 
 
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チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(https://www.checkpoint.com/)は、世界各国の政府機関や企業など、あらゆる組織に対応するサイバー・セキュリティ・ソリューションを提供する大手プロバイダーです。業界随一の検出率を誇る先進のソリューションにより、お客様のネットワークを、マルウェアやランサムウェア、高度な標的型の脅威などの多岐にわたる第5世代のサイバー攻撃から保護します。企業のクラウドやネットワーク、モバイル・デバイスを、今日の第5世代のサイバー攻撃を含めてあらゆる脅威から保護するため、第5世代の脅威に対応するマルチレベルのセキュリティ・アーキテクチャ「Infinity Total Protection」を備え、直感的で操作性に優れた総合的かつ一元的なセキュリティ管理システムを展開しています。世界の10万以上の組織・企業がチェック・ポイントのセキュリティ製品を利用しています。
 
 
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CyberInt Applied Researchは、各地域の幅広い業種に対する脅威に着目しながら、攻撃者のスパイ活動や戦術、技術、手順(TTP)を調査しています。最新の脅威や攻撃グループを追跡し、その能力や活動についての情報を提供しています。
 
 
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