性能の向上に期待する声がある一方、タイトルラインナップに不満か
2020年11月10日に「Xbox Series X/S」、そして11月12日に「PlayStation 5」が発売されました。次世代ゲーム機をめぐる熱狂のさなか、実際のゲーマーの次世代ゲーム機の購入意向や、期待することなどについて調査しました。
株式会社ゲームエイジ総研(代表取締役社長:光井誠一)は、国内唯一の「ゲームビジネスに特化したマーケティングリサーチ&コンサルティングファーム」として様々な分析を行って参りました。昨今、世界中で話題となっているVRやeスポーツといった、いわゆるゲームの枠にとどまらない新たな“エンタテイメント”の隆盛により、旧来のゲーム市場は過渡期を迎えています。そのため、改めて現在の“ゲーマーとは?”をテーマに、ゲーマーのライフスタイルを掘り下げる分析を、継続して実施していきます。
2020年11月10日に「Xbox Series X/S」、そして11月12日に「PlayStation 5」が発売されました。次世代ゲーム機をめぐる熱狂のさなか、実際のゲーマーの次世代ゲーム機の購入意向や、期待することなどについて調査しました。
■ゲーマーのPS5の購入意向は6.3%。Xbox Series X/Sの購入意向は0.9%
PlayStation 5では「既に予約した」というゲーマーは全体の0.6%、「購入する予定」では5.7%という結果になりました。予約受付数は限りがあるため予約ができなかったという理由から1%未満となっていることが考えられますが、購入の意向としては約6%程度の意向が見られました。また、「購入を検討している」では15.0%と、まだ購入を迷っている層が1割以上見られました。【グラフ①】
購入意向者の性年代を見ると、男性30~40代で39.1%を占めており、この層でのPlayStation 5への期待の高さが窺えます。【グラフ②】
次にXbox Series X/Sでは、「既に予約した」というゲーマーが全体の0.1%と、PS5よりかなり低い数字になっています。
「購入する予定」と回答したのは0.8%で、1%未満の購入意向となりました。
また、「購入を検討している」の回答者は3.0%で、PS5と比べ非常に低い結果になりました。【グラフ③】
購入意向者の性年代を見ると、7割以上が男性であることがわかります。【グラフ④】
発売時期が同時期となりましたが、PlayStation 5とXbox Series X/Sでは購入意向者の傾向も違っているようです。
購入意向者に、次世代ゲーム機に期待していることを聞いてみると「きれいなグラフィックとスムーズな動作」(男性/40歳)「既存のゲーム機よりも更に良くなった映像美」(女性/33歳)など、グラフィックスの性能向上による新しいゲーム体験を期待するというコメントが見られました。また「ロード時間が短縮され快適にゲームを楽しめるとよいと思う。」(男性/37歳)、「円滑なローディング」(女性/46歳)など、ウリの一つであるロード時間短縮に期待する声もありました。
購入したらプレイしたいタイトルを聞くと、「ファイナルファンタジーXVI」や「バイオハザード ヴィレッジ」、「グランツーリスモ7」といったタイトルに期待が寄せられているようです。
■すぐに次世代ゲーム機を購入したいと考えているゲーマーは少ない傾向。その理由とは?!
一方で「PlayStation 5を購入しないと思う」は78.7%、「Xbox Series X/Sを購入しないと思う」は96.1%という数字になっています。購入しないと思う理由は何なのでしょうか。
多かった回答が「やってみたいゲームソフトがどちらもまだ無いから」(男性/39歳)、「やりたいゲームがないから」(女性/17歳)など、まだタイトルが揃ってないことが挙げられました。そのため「興味のあるソフトが出てきたら購入するかもしれない」(女性/29歳)のように、今後のタイトルの発売次第で購入を検討するという意見も見られました。
また「ゲームはPCで遊ぶから」(女性/29歳)、「ゲーミングPCを持っているのでわざわざゲーム専用機買う意味がないので」(男性/50歳)など、PCでゲームをプレイする層が多くなっていることも窺えます。実際にローンチタイトルの「アサシン クリード ヴァルハラ」や「NBA 2K21」など、複数のタイトルはPCでもプレイすることができ、ゲームサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」はXboxシリーズだけでなく、PCでもプレイすることができるため、このような意見も見られたのではないでしょうか。
7年ぶりに発売された次世代ゲーム機の情報が発表されたときからゲームファンの間では大きく盛り上がり、先着順の予約はあっという間に完売、そして予約抽選も非常に高い倍率となっていて、SNSなどでは購入できなかった人の落胆する書き込みなどで盛り上がりを見せていましたが、スマートフォンなどを含めてゲームの遊び方が多様になっている現代では「次世代ゲーム機が発売されたらすぐに購入して最新のゲームタイトルを遊ぶ」という選択肢が最優先ではなくなっているのかもしれません。