PS5の値段は今後も上がる!?今回の値上げ理由と今後の展望をわかりやすく解説!

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2024年8月27日に家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS5)」周辺機器の計21製品の値上げすると発表しました。
新価格は、PS5本体が7万9980円、PS5デジタル・エディションは7万2980円と、どちらも1万3000円の値上げ、DualSenseワイヤレスコントローラーは1万1480円となり2000円の値上げとなります。

PS5の値上げ:その理由と背景をわかりやすく解説

PS5の値上げについて、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、
『昨今の世界的な経済情勢の変動などの厳しい外部環境を受け、当社ビジネスへの影響を踏まえ、このたびの決断にいたりました』
と説明しました。今回は、この内容をもう少し紐解いていこうと思います。

世界的な経済状況の変化

PS5が値上げされた大きな理由の一つは、コロナウイルスでの世界経済の混乱です。コロナウイルスの影響で、多くの国で経済活動が止まりました。これによって、製品を作るための材料や部品を集めるのが難しくなったり、それらを工場に届けるための輸送費が大幅に増大しました。特に、PS5のようなハイテクな技術を使った製品を作るには、多くの部品が必要で、それらを手に入れるコストが大きく上がっています。このような経済的な問題が、PS5の製造コストを押し上げ、最終的には消費者にその負担が回ってきました。


※株式会社商船三井HP参考

半導体不足とその影響

また、半導体と呼ばれる重要な部品の不足です。半導体は、PS5のような電子機器の「頭脳」の役割を果たすもので、これがなければ動きません。コロナ禍で多くの人がPCやスマホを購入したり、その他に車や家電製品も多くの半導体を使用するようになったため、世界中で半導体が足りなくなり、この結果、PS5を作るのに必要な半導体の価格が上がり、製造コストも増えました。


※市場調査会社Gartnerが発表してきた世界半導体市場(金額)の推移(2002年~2024年)。2002年~2022年は実績。2023年は見込み(速報値)、2024年は予測(2023年12月19日発表の数値)

インフレの影響

インフレとは、国内の物価が全体的に上がることを指しますが、このインフレが世界中で進行していた為、PS5を作るのに必要な材料や労働コストも増えました。ソニーはこれらのコスト増加のために、PS5の価格を引き上げる必要がありました。

為替レートの変動

PS5の価格に影響を与えるもう一つの要因は、為替レートの変動です。ソニーのような多国籍企業は、製品の製造や販売において複数の通貨を扱っています。最近では、日本円やユーロがアメリカドルに対して弱くなっており、PS5を作るために必要な部品の多くは海外から輸入されていて、その取引はドルで行われることが多いです。ドルが強くなると輸入コストが増加し、それが製品価格に反映されてしまいます。


※5年の外国為替相場チャート表(三菱UFJ銀行参考)

需要と供給

PS5は発売以来、非常に高い需要を維持していますが、その需要に対して供給が追いつかない状況が続いています。この為、転売市場が活発化し、価格がさらに高騰しています。ソニーはこの状況を改善するために供給を増やす努力をしているものの、完全に需要を満たすことができていません。この需要と供給の不均衡が、価格の上昇を招く要因となっています。

ソニーグループの戦略

最後に、PS5の値上げはソニーの長期的な事業戦略の一環とも言えます。ソニーは、新しいゲームの開発やPS5の機能追加など、将来の投資を続けるために資金を確保しなければなりません。また、今後の技術革新に対応し続けるためにも、ある程度の価格調整が必要と判断した可能性があります。

今後の展望は?

現時点では、今後のPS5のさらなる値上げの可能性はあると思います。
PS5の発売初期の値段は5万4978円でここから年単位で値上がりしているのと、世界的な経済状況や半導体の供給状況が改善しない限り、製造コストの増加が今以上に続く可能性があります。世界のインフレ率は、2023年の6.8%から2024年は5.9%、2025年には4.5%へと安定的に鈍化する見込みですが、もし今後もインフレが続く場合、原材料や人件費がさらに上昇し、これが再び製品価格に影響を与えるかもしれません。

一方で、物流問題が解決し、半導体の供給が安定すれば、ソニーがPS5の価格を据え置く、もしくは値下げする余地も出てくると思います。 また、新たな競合機種が市場に投入される場合やPS5の次世代ゲームコンソールの発表も値下げが起きる原因となるでしょう。さらに、現在巷で賑わっているVR(バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実)などに対応した新しいハードウェアが登場する可能性があり、ソニーはこうした技術の進化に対応するため、新しい製品ラインナップを投入することを検討しているかもしれません。

まとめ

PS5の値上げには、経済状況の変化、半導体不足、インフレ、為替レートの変動、そしてソニーの戦略的判断など、さまざまな要因が絡み合っています。そして、この外部要因が変わらない限りPS5の値上げは、今後も続く可能性が高いと予測しています。
今後もモンハンなど魅力的なタイトルが発売されるPS5ですが、子供だけでなく大人でも気軽に買える値段ではなくなってきており、筆者自身を悩ませる大きな一因となっています。

公式HP:https://blog.ja.playstation.com/2024/08/27/20240827-ps5/